
実家の片付けや遺品整理で出てきた物品の中には売却するにしても売却前に名義変更等の手続きが必要なものもあれば、相続税の物納に使えるものもあります。今号の記事は、親の持ち物の生前整理又は遺品整理に関して役に立つ、遺品の整理で発生する手続きを説明します。
銃砲や刀剣類は、法令等に定めのある場合を除き、所持することが禁じられています。しかしながら、美術品又は骨董品として価値のある火縄式銃砲等の古式銃砲又は美術品として価値のある刀剣類は、所有者の住所地の都道府県教育委員会で登録することにより所持することができるとされています。ここでは、東京都教育委員会のホームページを参照して、日本刀を相続することになった場合を例として、その相続に必要な手続きを説明します。
日本刀を所有していた被相続人が遺言を遺さずに死亡し、その日本刀の存在を知らなかった相続人が被相続人の遺品整理の際にその日本刀を発見した場合を例として説明します。銃砲刀剣類は、その登録証と一緒に保管することが義務付けられています。刀と一緒に登録証が見つかった場合と見つからなかった場合の手続きの流れを説明します。
新所有者が住所変更を行う場合、住所変更届出書の提出も義務付けられています。
商売として象牙、ウミガメの甲を扱っていない方でも全形象牙(彫刻等を施したものも含む。)やウミガメ等の希少生物のはく製、全甲を所有したり譲渡(売却)したりするにはその全形象牙又はウミガメのはく製、全甲の登録が必要になります。
登録がされていないものの譲渡や販売目的の陳列又は広告には「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」により罰則が適用されることがあります。
登録美術品制度とは、国民の優れた美術品を鑑賞する機会の拡大を促進するため、美術館における公開を前提として個人が所有する優れた美術工芸品を文化庁長官が登録する制度です。
相続発生後に当該美術工芸品を相続税の物納の対象とする場合に当該美術工芸品は、物納が認められる優先順位が第3位から国債や不動産と同等の第1位になり、相続税の物納が容易になります。登録美術品制度を利用するための美術品の登録申請は、当該美術品の所有者の生存中に行うことを要します。この制度で登録される美術工芸品は、国宝や重要文化財に登録されるほどのクオリティーのものとは明記されていませんが、どんな美術品でも対象になるわけではないことに注意してください。
1.美術館への相談
美術品所有者が美術館へ相談し、美術品の公開について美術館の同意を得ます。
2.文化庁への申請
美術品所有者は、「美術館の協力」を得て文化庁への申請書を作成し、必要書類*を添付して文化庁長官へ提出します。
3.文化庁の審査
文化庁長官が、美術品に関する識者の意見を参考にして登録の可否を決定します。
4.登録の可否の通知
文化庁から登録の可否の通知が美術品所有者にあります。
5.登録美術品所有者と美術館との契約締結
登録通知を受けた日から3か月以内に登録美術品所有者と美術館との間で登録美術品の公開に関する契約を締結し、登録美術品を公開します。
* 申請書に添付する必要書類は、申請書の様式の中で紹介されています。