
人が死亡したときは、同居の親族等が死亡の事実を知った日から7日以内に死亡者の死亡地、本籍地、又は届出人の所在地の市役所、区役所、又は町村役場に死亡届を提出することで死亡の事実がその死亡者の戸籍に反映され、同時に相続が始まります。
亡くなった方を「被相続人」といい、被相続人の遺産(プラスの遺産もマイナスの遺産も含みます)を受け継ぐ人を「相続人」といいます。相続人は大きく配偶者とそれ以外に分けることができ、配偶者以外の相続人は以下のように分類されます。
故人の遺産を分割するときの割合が各相続人について民法で決まっており、これを法定相続分といいます。遺産を法定相続分どおりに分割しなくても構いませんが、法定相続分が遺産分割の基準として定められています。
具体例をもって法定相続分を説明します。




下の図(i)及び(ii)のように、前号の記事に挙げた第1順位・第3順位グループの者が相続開始までに死亡した場合、又は欠格若しくは廃除となった場合、その子が親に代わって相続権を得て相続をします。これを代襲相続といいます(直系では被相続人のひ孫まで、傍系では被相続人の甥姪まで代襲相続することができます)。

例外:親が家庭裁判所に相続放棄を申し出てそれが認められた場合には、その者には初めから相続権がなかったものとして扱われるため、相続放棄をした親の子や孫に代襲相続は認められません。
養子には普通養子縁組制度と特別養子縁組制度があります。これらの二制度には相続に関して違いがあります。
一定の事由がある場合、相続人から相続権がはく奪されます。これには欠格と廃除の2つの制度があります。
相続人は、下記のように、相続を自分に有利になるように不正な手段を用いたことが原因で欠格になります。
相続開始後に欠格事由が判明した場合、相続開始時に遡って相続権がないものとして扱われます。欠格者は遺贈を受けることもできません。
遺言書の隠匿について、相続人が自分に有利な遺言書を隠匿した場合、その相続人は欠格者には当たらないという判例があります(最判H9.1.28)。
被相続人が相続させたくないと思うほどの非行を行った者があった場合、被相続人の意思に基づいて、家庭裁判所の審判又は調停によってその者から相続権をはく奪することができます。これを相続人の廃除といいます。その非行としては以下のものが挙げられます。
ある者を相続人から廃除するには被相続人が生前に家庭裁判所に請求するか、遺言で廃除の意思(遺言廃除)を表示するかのどちらかの手続が必要ですが、遺言廃除の場合でもその相続人の廃除を家庭裁判所に申し立てる必要があります。
例外:第3順位グループ(兄弟姉妹)を廃除の対象とすることはできません。これは兄弟姉妹には「遺留分」が存在しないことが関係しています。
以上、相続人の地位によって法律で決められている相続分が変わること、及び相続人の欠格・廃除によりその範囲が縮小したり、養子縁組によって相続人の範囲が拡大したりする場合について説明しました。本記事のポイントは以下のとおりです。