
定期的に①~⑤のサイクルを繰り返すことで本当に必要な物だけが残るようにします。
一回の整理で残す物と処分する物に分ける必要はなく、所有物を定期的に分類して処分する作業を習慣化することが大事です。
まだ使える物を処分してしまうことについて「もったいない」と考えることは仕方がありません。ですが、「もったいない」と考えてクローゼットや棚の奥に仕舞い込んでいたら整理は進みません。「もったいない」と思ったら仕舞うのではなく、誰かに使ってもらうように考え方を変えてみましょう。
生前整理をしてスカスカの空間ができると寂しく感じられ、空間を埋めるために余計な買い物をしてしまうことが起こる可能性があります。そうならないように、整理して残った物は目に見えるところに配置してみてはどうでしょうか。
生前に整理が必要なのは物だけではありません。次のものの整理も検討しましょう。これらの整理は、亡くなったときだけでなく、後見を受けるときにも大事です。
成年後見人等は成年被後見人等のために証券の運用をすることはできず、証券口座は塩漬けになってしまいます。それ故、配当金等の受け取り口座を銀行口座に変更しておくと証券の運用益を受け取ることができます。
重い病気に備えて民間の医療保険に加入することはよくあることですが、預貯金の一部を医療の支払に充てても医療費控除で所得税を安くしたり、高額な医療費に対しては国の高額療養費制度を利用することもできます。年金受給年齢になり、子供も独立している方は医療保険を見直しされてみてはどうでしょうか。
また、本人の葬式や相続に備えるために死亡保険を利用することが医療保険よりも大事になる年齢もやってきます。年齢に応じて保険の利用を見直すことが大事だと考えます。
自分が受給している年金の制度を改めて確認しましょう。詳細は、年金事務所にお尋ねください。
厚生年金の支給年齢が60歳から65歳に引き上げたことに対処するため、「特別支給の老齢厚生年金」制度を定めて厚生年金の支給年齢を段階的に引き上げることになりました。これにより、60歳~64歳までの間に最大で5年間にわたり「特別支給の老齢厚生年金」を受け取ることができるようになりました。
受給資格者:
本制度の対象者には、受給開始年齢の3か月前に日本年金機構から年金請求書が届きます。この年金請求書と添付書類を年金事務所に提出して受給の手続きを行います。
60歳の定年後も厚生年金に加入して働きながら年金をもらうことができます。この年金を「在職老齢年金」といいます。ただし、在職老齢年金と月収の合計額が一定額を超えると、超えた金額の半分が月々の年金の額から引かれます。この一定額は、2024年の時点では50万円になっています。
厚生年金の加入期間が20年以上の人について、生計を同じくする65歳未満の配偶者又は18歳に到達する年度の末日までの子又は1級若しくは2級の障害の状態にある20歳未満の子がいる場合に本人の老齢厚生年金に加給年金が加算されます。
加給年金の加算は、配偶者や子が条件を満たさなくなると停止されます。例えば、配偶者が65歳未満であっても他の公的年金の支給を選択すると加算が停止されます。加算には年金事務所での手続きが必要です。
上の加給年金の対象となっている配偶者が65歳になると加給年金が停止され、その代わりにその配偶者自身の老齢基礎年金に加算があります。これを「振替加算」といいます。加算には年金事務所での手続きが必要です。ただし、「振替加算」の対象者には下記の条件があります。
離婚するときには婚姻期間に発生した共有財産をどう分割するか決定します。厚生年金もこの共有財産に含まれます。
厚生年金の分割には「合意分割」と「3号分割」の2方式があります。「合意分割」は、当事者の一方又は双方からの請求により、婚姻期間中に発生した厚生年金を双方の合意に基づいて分割します。
「3号分割」は、国民年金の第3号被保険者であった方からの請求により、第3号被保険者だった期間に発生した厚生年金を2分の1の割合で分割します。「3号分割」には当事者双方の合意は不要です。分割には年金事務所での手続きが必要です。
死亡した人が自営業で国民年金の被保険者(第1号被保険者)であったなら「遺族基礎年金」が、死亡した人が元会社員・公務員で厚生年金又は共済年金の被保険者であったなら「遺族厚生年金(遺族共済年金)」が遺族に支払われます。受給には年金事務所での手続きが必要です。ここからは、死亡した人が既に年金受給者であった場合について説明します。
支給対象者:
※遺族基礎年金は子のいない配偶者には支給されず、子がいてもその子が規定の年齢に達すると支給停止になります。
支給対象者:死亡した夫が国民年金の第1号被保険者として保険料を納付した期間及び納付免除されていた期間が10年以上であり、且つ、その夫が老齢基礎年金を受給したことがない場合、その夫と10年以上継続して婚姻関係にあり、死亡当時にその夫に生計を維持されていた妻
支給期間:妻が60歳から65歳までになる期間
支給対象者:国民年金保険料を36月以上納付した人が何の年金も受給せずに死亡した場合のその人の遺族であって、遺族基礎年金の支給を受けられない人
支給対象者:厚生年金受給者によって生計を維持されていた遺族
※遺族厚生年金は子の有無にかかわらず支給されます。
年金額:死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額
※死亡した人の配偶者が国民年金の第3号被保険者であった場合、遺族厚生年金の部分と自身の老齢基礎年金を受給することになります。
※死亡した人の配偶者も老齢厚生年金の受給権者である場合、「死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額」と「死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の2分の1の額と自身の老齢厚生年金の2分の1の額の合計」を比較し、高い方が遺族厚生年金の額になります。
支給対象者:死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間が20年以上であった場合の以下の者
子の扶養に入るかどうか検討する
年金生活者が子の被扶養者になると、その年金生活者は自分で国民健康保険に加入せずに子の健康保険の被保険者になり、健康保険料が年金から天引きされなくなります。子は、親を被扶養者にすることにより所得税額と住民税額を減らすことができます。ただし、親を子の被扶養者にするには制限があります。
所得税法上の制限
社会保険(協会けんぽ)上の制限
※社会保険上の制限でいう親の収入には公的年金も含まれます。また、親が75歳以上になると後期高齢者医療制度の対象になるため、子の社会保険に入ることはできません。
複数のお薬手帳を使用している場合にはそれらのうちの一冊のみを使用するようにします。延命治療・終末期医療問題についてはどこまでの医療を受けるか、生前に意思を示します。尊厳死宣言を公正証書ですることもできます。
相続人等は、被相続人のスマートフォンやパソコンを受け継いでもすぐに初期化・廃棄せずにサブスクリプションサービス等の利用料請求がないか確認し、解約等を行った後に初期化・廃棄します。MicrosoftやGoogleのアカウントは、一定の期間にわたって利用されていないと自動的に消去されるようになっています。消去される前に故人のデータを確認し、重要なデータ等をハードディスク等の媒体に移しておくとよいでしょう。
田舎にある実家の墓を移すことを考えている方は、本サイトの別記事「お墓の引越しを考えたときに読む話」をご覧ください。
上に挙げたことの中にはエンディングノートを記入することで整理されるものもあります。エンディングノートの記入で整理できなかったものについては別途整理を行います。
ただし、エンディングノートは法的文書にはなりません。財産の分与については遺言書の中で指示する必要があります。それでも、エンディングノートの記入によって自分の財産の理解が容易になり、遺言書に添付する財産目録の作成も容易になります。